データプロジェクター向け高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)新製品の量産開始
3LCD.com
2005年4月28日
データプロジェクター向け高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)新製品の量産開始
0.6型XGA プロジェクターの更なる小型化、コストパフォーマンス向上を実現
世界初*1、インクジェットによる配向膜成膜技術を導入
 セイコーエプソン株式会社(社長:花岡 清二)は、3LCD方式のデータ用フロントプロジェクター向けに、D4技術を採用し、XGA(1024x768ドット)の解像度で、より小型化(0.6型)を実現した高温ポリシリコンTFT液晶パネル(以下HTPS:High Temperature Poly-Silicon TFT)を開発し、2005年4月より出荷を開始いたしました。 尚、本製品には表示特性を向上させる目的で、ガラス表面上の配向膜成膜において、世界で初めてインクジェット技術を応用した製造方法を採用いたしました。この製造技術の導入により従来品を上回る高画質を実現いたしました。

 企業におけるプレゼンテーション需要の増大に加えて最近では文教用市場のIT化に伴い、データプロジェクターの市場はさらに拡大してきております。

 またローエンド市場では、従来SVGAモデルが主流でしたが、ビジネスでの様々なプレゼンテーションシーンに対応できるXGAモデルの低価格化ニーズが高まりつつあります。このような市場ニーズに対応すべく、セイコーエプソンでは、D4技術を採用することにより、XGAという解像度でありながら、小型でより低価格なデータプロジェクターが実現できる0.6型XGAL3P06Xシリーズをラインナップいたしました。

 D4シリーズは、高開口率化技術によりさらに明るく、応答速度の改善により一層なめらかな画像と動画の高画質化を実現する製品となっております。本製品はこのD4技術の採用により、小型で高画質なデータプロジェクターを、ハイコストパフォーマンスで実現することを可能にいたします。

 今回、本製品の製造においては当社独自のインクジェット技術による配向膜成膜技術(IJ配向膜)を導入いたしました。
【IJ配向膜導入による効果】
(1) 非接触方式による配向膜塗布が可能となり、配向膜表面の平滑性が向上することで均質な表示画質が実現できました。
(2) 従来のフレキソ印刷で用いられていたフレキソ版が不要となり、段取り時間の短縮化が可能となり、多品種対応が容易になりました。
(3) 機種変更時でのフレキソ版洗浄等で発生する廃棄溶剤を約20分の1に減らす事ができ、環境改善に貢献する事ができました。
 当社では、国内市場シェアNo.1*2を誇るインクジェットプリンタで培われた独自のマイクロピエゾヘッド技術を生産技術に応用する「インクジェット工業応用技術」について研究を重ねてまいりました。これはインクジェット技術によってピコリットル(1兆分の1リットル)、ナノグラム(10億分の1グラム)オーダの液滴を、精密な位置に定量吐出することにより、直描パターン形成・均一薄膜形成が実現可能な新製造方式です。特に、インクジェット法による直描パターン形成は、半導体製造などに広く使われる多数回のフォトリソグラフィー工程を1〜3工程に圧縮できると同時に、フォトリソグラフィー工程で多量に廃棄することになる主材料およびレジスト材料等の使用量を10分の1以下に低減できることで、廃棄物削減による地球環境保全の観点から大きな期待を寄せています。当社ではこの製造法を使い、世界最大の40インチ有機ELディスプレイや、20層の積層回路基板などの開発に成功し、その成果を発表してまいりましたが、今回のTFTへのIJ配向膜適用は、インクジェット工業応用技術の実用化第一号となります。
【製品特長】
・D4高開口率技術採用によりHTPSのXGAでは世界最小の0.6型を実現。
・D4技術の採用により高画質でハイコストパフォーマンスな製品が実現可能。
【サンプル仕様】
シリーズ名 L3P06Xシリーズ
テクノロジー D4
有効画素数 1028 x 772
画面サイズ(対角) 0.6型(1.5cm)
画素ピッチ 12μm
開口率 52%
コントラスト 300 : 1
<ホームページの公開>
 HTPSの特長をより理解していただくために、HTPSのホームページを公開しております。 URLはhttp://www.epsondevice.com/htps/です。

 なお、3LCDテクノロジーにつきましては、4/27(水)〜29(金)に、中国 上海で開催されます、Integrated Systems China 2005にてご紹介させていただく予定です。
*1.当社調査結果
*2.国内市場シェアNo.1:2004年度 データ出展 GFK
以上
<用語解説>
●配向膜: 液晶表示素子において、液晶を挟み込む2枚のガラスなど基板の表面上に形成する膜のこと。液晶分子を所定の方向に配向させる役割を持つ。
●フレキソ印刷: ゴム、樹脂などの弾性物質の版と液状インキを用いる凸版印刷方式の一種。
>> インクジェット工業応用技術の詳しい説明はこちら
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